〔無題〕(『晶子詩篇全集拾遺』収録・同題第33篇)

与謝野晶子

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群をはなれてヹランダに 君ただひとり立つなかれ、 今宵は空の月さへも 人の踊を覗けるに。 いざ君、室内の卓に凭り、 ワルツの曲を聞きながら、 夜ひと夜取れよ、花の香と、 香料の香と、さかづきと、 女の燃ゆるまなざしと、 きやしやに艶めく肉づきと、 軽き笑まひと、足取と、 さらに渦巻く愛と美と。

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