〔無題〕(『晶子詩篇全集拾遺』収録・同題第42篇)

与謝野晶子

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淡黄と、白と、肉色と、 三輪の薔薇、わが手より 和蘭焼の花瓶に 移さんとして躊躇らひぬ、 またと得難き宝玉の 身をば離るる心地して。 瓶に移せる薔薇の花、 さて今は是れ、一人の 私に見る花ならず、 我背子も愛で、友も愛で、 美くしきかな、安きかな、 見る人々の為に咲く。

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