夏の歌

与謝野晶子

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あはれ、快きは夏なり。 万年の酒男太陽は 一時にその酒倉を開けて、 光と、※と、芳香と、 七色との、 巨大なる罎の前に 人を引く。 あはれ、快きは夏なり。 人皆ギリシヤの古の如く うすき衣を著け、 はた生れながらの 裸となりて、 飽くまでも、湯の如く、 光明歓喜の酒を浴ぶ。 あはれ、快きは夏なり。 人皆太陽に酔へる時、 忽ち前に裂くるは 夕立のシトロン。 さて夜となれば、 金属質の涼風と 水晶の月、夢を揺る。

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