日本国民朝の歌

与謝野晶子

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ああ大御代の凜凜しさよ、 人の心は目醒めたり。 責任感に燃ゆる世ぞ、 「誠」一つに励む世ぞ。 空疎の議論こゑを絶ち、 妥協、惰弱の夢破る。 正しき方に行くを知り、 百の苦難に突撃す。 身は一兵士、しかれども、 破壊筒をば抱く時は、 鉄条網に躍り入り、 実にその身を粉と成せり。 身は一少佐、しかれども、 敵のなさけに安んぜず、 花より清く身を散らし、 武士の名誉を生かせたり。 其等の人に限らんや、 同じ心の烈士たち、 わが皇軍の行く所、 北と南に奮ひ起つ。 わづかに是れは一の例。 われら銃後の民もまた、 おのおの励む業の為め、 自己の勇気を幾倍す。 武人にあらぬ国民も、 尖る心に血を流し、 命を断えず小刻みに 国に尽すは変り無し。 たとへば我れの此歌も、 破壊筒をば抱きながら 鉄条網にわしり寄り 投ぐる心に通へかし。 無力の女われさへも かくの如くに思ふなり。 況やすべて秀でたる 父祖の美風を継げる民。 ああ大御代の凜凜しさよ、 人の心は目醒めたり。 責任感に燃ゆる世ぞ、 「誠」一つに励む世ぞ。

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