五月雨と私
本文の表示
ああ、さみだれよ、昨日まで、
そなたを憎いと思つてた。
魔障の雲がはびこつて
地を亡ぼそと降るやうに。
もし、さみだれが世に絶えて
唯だ乾く日のつづきなば、
都も、山も、花園も、
サハラの沙となるであろ。
恋を命とする身には
涙の添ひてうらがなし。
空を恋路にたとへなば、
そのさみだれはため涙。
降れ、しとしとと、しとしとと、
赤をまじへた、温かい
黒の中から、さみだれよ、
網形に引け、銀の糸。
ああ、さみだれよ、そなたのみ、
わが名も骨も朽ちる日に、
埋れた墓を洗ひ出し、
涙の手もて拭ふのは。
ログインすると、お気に入り登録や選集への追加ができます。
ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。
五月雨と私の談話
疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。
まだ投稿はありません。
五月雨と私に寄せられた作品
詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。
まだ投稿はありません。
批評・感想 0
作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。
まだ批評・講評はありません。
ログインすると批評・講評を書けます。