真実へ
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わが暫く立ちて沈吟せしは
三筋ある岐れ路の中程なりき。
一つの路は崎嶇たる
石山の巓に攀ぢ登り、
一つの路は暗き大野の
扁柏の森の奥に迷ひ、
一つの路は河に沿ひて
平沙の上を滑り行けり。
われは幾度か引返さんとしぬ、
来し方の道には
人間三月の花開き、
紫の霞、
金色の太陽、
甘き花の香、
柔かきそよ風、
われは唯だ幸ひの中に酔ひしかば。
されど今は行かん、
かの高き石山の彼方、
あはれ其処にこそ
猶我を生かす路はあらめ。
わが願ふは最早安息にあらず、
夢にあらず、思出にあらず、
よしや、足に血は流るとも、
一歩一歩、真実へ近づかん。
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