真珠貝
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真珠の貝は常に泣く。
人こそ知らね、大海は
風吹かぬ日も浪立てば、
浪に揺られて貝の身の
処さだめず伏しまろび、
千尋の底に常に泣く。
まして、たまたま目に見えぬ
小さき砂の貝に入り
浪に揺らるる度ごとに
敏く優しき身を刺せば、
避くる由なき苦しさに
貝は悶えて常に泣く。
忍びて泣けど、折折に
涙は身よりにじみ出で、
貝に籠れる一点の
小さき砂をうるほせば、
清く切なきその涙
はかなき砂を掩ひつつ、
日ごとに玉と変れども、
貝は転びて常に泣く。
東に昇る「あけぼの」は
その温き薔薇色を、
夜行く月は水色を、
虹は不思議の輝きを、
ともに空より投げかけて、
砂は真珠となりゆけど、
それとも知らず、貝の身は
浪に揺られて常に泣く。
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