砂の上(『晶子詩篇全集拾遺』収録)

与謝野晶子

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私達は浜へ出た。 何処までも続く砂は 一ぱいに夕焼を受けて、 黄金と紫に濡れて居る。 海は猶更、 大きな野を焼くやうに、 炎炎と燃え広がり、 壮厳な猛火の楽が聞える。 そして、私達の 夕焼を受けた顔を見ると、 どの顔も莞爾と希望に光り、 嬰粟の花のやうに酔つて居る。 けれども、地に曳く 青ざめた影を振返ると、 みんなが、淋しい、淋しい 永遠の旅人を自覚する。

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