手の上の氷
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日の堪へ難く暑きまゝ
しばらく筆をさし置きて、
我れは氷のかたまりを
載せて遊びぬ、手のひらに。
貧しき家の我子等は
未だ見ざりしその母の
この戯れを怪しみて、
我が前にしも集まりぬ。
可愛ゆき子等よ、こは母が
珍しきまゝする事ぞ、
唯だ気紛れにする事ぞ、
いはれも無くてする事ぞ。
かゝる果敢なきすさびすら
母が昔の家にては
許されずして育ちにき、
唯だ頑なに護られて。
可愛ゆき子等よ、摸ねたくば
いざ氷をば手に載せよ。
さて年長けて後思へ、
母は自由を愛でにきと。
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