土井晩翠

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あらしを孕む黒雲に 吐かれて出でし夜半の月 よみの光をほの見せて 片破の影ものすごや。 見えぬ翼に「時」飛びて 迷を散らし夢を捲き 街に烟ぶるともしびは 暗に疲れて眠り行く。 我世の涙そらの露 含みて星も隱れ行く 心の暗に照らざらば 消えよ光の甲斐やなに。 神よ問はなむぬばたまの 「夜」のもすそに包まれて 咽ぶ涙は幾何ぞ 靜けき夢は幾何ぞ。

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