無用の書物
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蒼白の人
路上に書物を賣れるを見たり。
肋骨みな瘠せ
軍鷄の如くに叫べるを聽く。
われはもと無用の人
これはもと無用の書物
一錢にて人に賣るべし。
冬近き日に袷をきて
非有の窮乏は酢えはてたり。
いかなれば涙を流して
かくも黄色く古びたる紙頁の上に
わが情熱するものを情熱しつつ
寂しき人生を語り續けん。
われの認識は空無にして
われの所有は無價値に盡きたり。
買ふものはこれを買ふべし。
路上に行人は散らばり去り
烈風は砂を卷けども
わが古き感情は叫びて止まず。
見よ! これは無用の書物
一錢にて人に賣るべし。
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