輪𢌞と轉生

萩原朔太郎

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地獄の鬼がまはす車のやうに 冬の日はごろごろとさびしくまはつて 輪𢌞の小鳥は砂原のかげに死んでしまつた。 ああ こんな陰鬱な季節がつづくあひだ 私は幻の駱駝にのつて ふらふらとかなしげな旅行にでようとする。 どこにこんな荒寥の地方があるのだらう 年をとつた乞食の群は いくたりとなく隊列のあとをすぎさつてゆき 禿鷹の屍肉にむらがるやうに きたない小蟲が燒地の穢土にむらがつてゐる。 なんといふいたましい風物だらう どこにもくびのながい花が咲いて それがゆらゆらと動いてゐるのだ 考へることもない かうして暮れ方がちかづくのだらう 戀や孤獨やの一生から はりあひのない心像も消えてしまつて ほのかに幽靈のやうに見えるばかりだ。 どこを風見の鷄が見てゐるのか 冬の日のごろごろと𢌞る瘠地の丘で もろこしの葉が吹かれてゐる。

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