さびしい來歴
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むくむくと肥えふとつて
白くくびれてゐるふしぎな球形の幻像よ
それは耳もない 顏もない つるつるとして空にのぼる野蔦のやうだ
夏雲よ なんたるとりとめのない寂しさだらう
どこにこれといふ信仰もなく たよりに思ふ戀人もありはしない。
わたしは駱駝のやうによろめきながら
椰子の實の日にやけた核を噛みくだいた。
ああ こんな乞食みたいな生活から
もうなにもかもなくしてしまつた
たうとう風の死んでる野道へきて
もろこしの葉うらにからびてしまつた。
なんといふさびしい自分の來歴だらう。
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