遊園地にて
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遊園地の午後なりき
樂隊は空に轟き
𢌞轉木馬の目まぐるしく
艶めく紅のごむ風船
群集の上を飛び行けり。
今日の日曜を此所に來りて
われら模擬飛行機の座席に乘れど
側へに思惟するものは寂しきなり。
なになれば君が瞳孔に
やさしき憂愁をたたへ給ふか。
座席に肩を寄りそひて
接吻するみ手を借したまへや。
見よこの飛翔する空の向うに
一つの地平は高く揚り また傾き 低く沈み行かんとす。
暮春に迫る落日の前
われら既にこれを見たり
いかんぞ人生を展開せざらむ。
今日の果敢なき憂愁を捨て
飛べよかし! 飛べよかし!
明るき四月の外光の中
嬉嬉たる群集の中に混りて
ふたり模擬飛行機の座席に乘れど
君の圓舞曲は遠くして
側へに思惟するものは寂しきなり。
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