春の野べ

蒲原有明

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わかやぐひかり野べのいろ しらべもかすむ春のうた あはれこの世にいくちとせ 人はなさけの香を慕ふ たのしや遠き古の その日に空の彩を見し 小琴もけふはよろこびの まためづらしき音にたたむ 曉ひとり消えてゆく 星よ雲ゐの路すてて しばしは人の世にくだり めぐらばいかに春の野を ここには匂ふ若草に ゆらめくいきももゆるとき よろこび慕ふ胸にしも 熱きおもひはやどるなり 花野は盾のひとおもて 大神の手のたくみぞと 夢よただへてわづらひの 征矢鳴りやめるかげにかくれむ

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