北原白秋

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おほらかに、 いとおほらかに、 大きなる鬱金の色の花の面。 日は真昼、 時は極熱、 ひたおもて日射にくわつと照りかへる。 時に、われ 世の蜜もとめ 雄蕋の林の底をさまよひぬ。 光の斑 燬けつ、断れつ、 豹のごと燃えつつ湿める径の隈。 風吹かず。 仰ふげば空は 烈々と鬱金を篩ふ蕋の花。 さらに、聞く、 爛れ、饐えばみ、 ふつふつと苦痛をかもす蜜の息。 楽欲の 極みか、甘き 寂寞の大光明、に喘ぐ時。 人界の 七谷隔て、 丁々と白檀を伐つ斧の音。 四十年三月

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