ほのかにひとつ
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罌粟ひらく、ほのかにひとつ、
また、ひとつ……
やはらかき麦生のなかに、
軟風のゆらゆるそのに。
薄き日の暮るとしもなく、
月しろの顫ふゆめぢを、
縺れ入るピアノの吐息
ゆふぐれになぞも泣かるる。
さあれ、またほのに生れゆく
色あかきなやみのほめき。
やはらかき麦生の靄に、
軟風のゆらゆる胸に、
罌粟ひらく、ほのかにひとつ、
また、ひとつ……
四十一年二月
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