北原白秋

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夏の日なかのヂキタリス、 釣鐘状に汗つけて 光るこころもいとほしや。 またその陰影にひそみゆく 螢のむしのしをらしや。 そなたの首は骨牌の 赤いヂヤツクの帽子かな、 光るともなきその尻は 感冒のここちにほの青し、 しをれはてたる幽靈か。 ほんに内氣な螢むし、 嗅げば不思議にむしあつく、 甘い藥液の香も濕る、 晝のつかれのしをらしや。 白い日なかのヂキタリス。

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