曇り日のオホーツク海

北原白秋

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光なし、燻し空には 日の在処、ただ明るのみ。 かがやかず、秀に明るのみ、 オホーツク海の黒きさざなみ。 影は無し、通風筒の 帆の綱が辺に揺るるのみ。 眺めやり、うち見やるのみ、 海豹のうかぶ潮漚。 寒しとし、暑しとし、ただ、 霧と風、過がひ舞ふのみ。 われは誰ぞ、あるかなきのみ、 酔はむとも、醒めむとも、まだ。 燻し空、かがやかぬ波、 見はるかす円き涯のみ。

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