水ヒアシンス

北原白秋

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月しろか、いな、さにあらじ。 薄ら日か、いな、さにあらじ。 あはれ、その仄のにほひの などもさはいまも身に沁む。 さなり、そは薄き香のゆめ。 ほのかなる暮の汀を、 われはまた君が背に寢て、 なにうたひ、なにかかたりし。 そも知らね、なべてをさなく 忘られし日にはあれども、 われは知る、二人溺れて ふと見し、水ヒアシンスの花。

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