ただ秘めよ

北原白秋

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曰ひけるは、 あな、わが少女、 天艸の蜜の少女よ。 汝が髪は烏のごとく、 汝が唇は木の実の紅に没薬の汁滴らす。 わが鴿よ、わが友よ、いざともに擁かまし。 薫濃き葡萄の酒は 玻璃の壺に盛るべく、 もたらしし麝香の臍は 汝が肌の百合に染めてむ。 よし、さあれ、汝が父に、 よし、さあれ、汝が母に、 ただ秘めよ、ただ守れ、斎き死ぬまで、 虐の罪の鞭はさもあらばあれ、 ああただ秘めよ、御くるすの愛の徴を。

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