珠数工の夜

北原白秋

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青い月夜の七分がた、 影が持つてる、紺のかげ。  ああ、ひたすら、  珠数のたま磨る響がする。 空に息づむ稚わか葉。 白う幅だつ墓地の露路。  ああ、かすかに、  珠数のたま磨る円鑪。 現ならぬか、蒸しつつも 面なまめく石の靄。  ああ、ひとすぢ、  珠数のたま磨る窓あかり。 飛ぶは蝙蝠、金の縁。 月は五重の塔のうへ。  ああ、ひたすら、  珠数のたま磨る人が居る。

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