うめき

北原白秋

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暮れゆく日、血に濁る床の上にひとりやすらふ。 街しづみ、窻しづみ、わが心もの音もなし。 載せきたる板硝子過ぐるとき車燬きつつ 落つる日の照りかへし、そが面噎びあかれば 室内の汚穢、はた、古壁に朽ちし鉞 一斉に屠らるる牛の夢くわとばかり呻き悶ゆる。 街の子は戯れに空虚なる乳の鑵たたき、 よぼよぼの飴売は、あなしばし、ちやるめらを吹く。 くわとばかり、くわとばかり、 黄に光る向ひの煉瓦 くわとばかり、あなしばし。――

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