雪
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雪は紋をつくる。皷の、あふぎの、羊歯の紋。
六花。十二花。砲弾の紋。
江州ひこね。ひこね桜馬場。さくらの並木。
すつぽり、雪ごもりの街区。
星のうごかぬ、八面玲瓏と煙り澄んだ、銀張りの夜。
早寝の牀で聴いてゐる。……プラステイックな宇宙のしはぶきを。(このとき、地球は鞠ほどの大きさしかない)
微睡の睫毛はみてゐる。……囲炉裏に白くなつた燠を。(それが、宛らわたしの白骨、焼かれた残んの骨に似る)
燠に化つた榾の呟き。――わたしの脊椎を外しとつてする「洗骨式」を、……でなければ、肉体の髄を焙きつくしてする「風葬祭」を、……そんな末枯れた夢見もするわな。
老来の、炬燵に眠りたまへる母上よ。
あなたの鬢にも、雪がある。
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