一〇二二〔一昨年四月来たときは〕

宮沢賢治

タグを編集・提案

作品の主題・モチーフなど、対象に固有の情報を登録してください。年代・形式・表記・文学運動などの共通分類は登録できません。会員タグの追加と、正式タグの削除は、5人の支持で自動反映されます。

ログインするとタグの追加・削除を提案できます。

一九二七、四、一、 一昨年四月来たときは、 きみは重たい唐鍬をふるひ、 蕗の根をとったり 薹を截ったり 朝日に翔ける雪融の風や そらはいっぱいの鳥の声で 一万のまた千億の 新におこした塊りには いちいち黒い影を添へ 杉の林のなかからは 房毛まっ白な聖重挽馬が こっそりはたけに下り立って ふさふさ蹄の毛もひかってゐた 去年の春にでかけたときは きみたちは川岸に居て 生温い南の風が きみのかつぎをひるがへし またあの人の頬を吹き 紺紙の雲には日が熟し 川が鉛と銀とをながし 楊の花芽崩れるなかに きみは次々畦を掘り 人は尊い供物のやうに 牛糞を捧げて来れば 風は下流から吹いて吹いて キャベヂの苗はわづかに萎れ 風は白い砂を吹いて吹いて もういくつもの小さな砂丘を 畑のなかにつくってゐた そしてその夏あの恐ろしい旱魃が来た

ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。

批評・感想 0

作品から読み取ったことや、自分の中に生まれた感覚をまとまった文章で残す場所です。

まだ解釈・感想はありません。

一〇二二〔一昨年四月来たときは〕の談話

疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。

まだ投稿はありません。

話題を投稿する

一〇二二〔一昨年四月来たときは〕に寄せられた作品

詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。

まだ投稿はありません。

この詩に作品を寄せる