一〇六八〔エレキの雲がばしゃばしゃ飛んで〕

宮沢賢治

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一九二七、五、一四、 エレキの雲がばしゃばしゃ飛んで 一本の杉の枯れた心が 避雷針とでもいふやうに 二露里に亙る林のなかに立ってゐる   こんもりと新芽をふいた白樺の下に   一つの古いそりが置きすてられる     ……岩手山麓地方の       ブッシュタイプに就て研究せよ……     Nymph, Nymphaus, Nymphaea 羊歯の花を借りてきて いっぱいにつけた古い楢の木ででもあるか 雲は黒い尾を曳いて しづかにまはりをかけちがふ

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