廢園
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春夏すぎて
秋はきぬ
わがこころの園生に
蟲啼けり
あはれなる蟲は啼けり
木にも草にも
荒れ蕪れて また荒れ蕪れし
あかつきの わがこころの園生に
おん墓あり
その日より ここにとこしへにおん墓あり
君知りたまふや
愚かなるわれがためには そは二つなき思出の奧津城なりと
海山越えて
遠き日はいゆきさかりぬ
ゆきゆきていよよはるけく
ものなべてかへらぬ旅びと
時ふれば金石もやがて泯びん
ましてこのはかなかる君がおん墓
幻のなにたのむべき
愚かなる奧津城もりは
かくみづからにつぶやきかたり
時雨ふるこの曉を
船出する人のごとくに
夢みつつ ものおもひつつ
心さへとみにおとろへ
翁さぶここちするかな
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