桃花李花
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老松亭々
函嶺蒼々
柑子山こなたにつきて
麥畑かなたに遠く
工場の白き煙突二つ三つ
そそり立つあたりの聚落
天高く
海はか青し
沖つ波はるかのかたに
かすめるは大島利島
邊つ波は浦囘いつぱい
弓なりに碎けて白し
これはこれおのれいくとせ
住みなれし相模野のすゑ
春の日の晝さがりなり
おのれいま西國の旅
旬日のあまりののちに
四肢つかれこころたゆみて
かへりこし汽車の窓べゆ
見なれたる四方の景象
ゆるやかに轉ずるを見つ
感ははた新たなりけり
うたて身は
はやく老いたり
こころざし
むなしくなりつ
とておのれ過ぎしを惜しみ
新らしきその味ひの
にがかるをただ沈默す
路のべに日照りかがやき
あなあはれ
桃花李花處々に紅白
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