すずしき甕

三好達治

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天澄み 地涸き ものみな磊塊 一つ一つに嘆息す 土壘頽れ夷らぎ 石みな天を仰げり 寂たるかな 三旬雨ふらず されば羊も跪づき ともしき夢を反芻す 風塵しばらく小止み 畑つものなほ廣葉圓葉のさゆらぐを見る かかる時桔槹かしこに動き 再び動きてきしり止みぬ いとけなき起居のさまや 貧しき乙女の半裸なるしばしは井のほとりにくぐもりゐしが ――まことに彼女は時劫に祷るさまなりしが 歩どりはやくひたひたとしたたる甕を運び去るなり 我は見る かの乙女子のかくて彼方に 片なびく柳がくれにひたひたとすずしき甕をその胸に 重たげにはたは輕げに人の世の無限の時を運びて去るを

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