かなたの梢に――

三好達治

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かなたの梢に憩ふものあり 日は南 木は枯れて 空青し またこの冬のかばかりもさまかへし 田のおもてものもなく人を見ず 山低き野のすゑに憩ふもの こころみになが指に數ふべし 稚な兒よときの間のつれづれの汽車の窓 よごれたる玻璃の陽ざしに さらばわれらがを指にもかがなべてみん 人の世の途すがら次々に遠くわが失ひしものの數 かの緇衣のひと群れの言もなき 團欒のその數の やすらふと似たらずや 雪ふらん 明日はこの野に雪はふらんとも けふ空青し よきかな 眼路のはて 何の木か しらじらと枝高し その枝に黒きものみな翼ををさめ 參差として 彼らの數をつくしたり この空や 明日はかぐろに雪はふらんとも――

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