海鳴り

三好達治

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わが庭園は薯畑 夏の夜露がしつとりと 星がとぶまた星がとぶ 庵の主じが窓に出て 籐の臥椅子にねる頃は 秋のこゑして蟲がなく ひき蛙めが片われの 月を見るとてまかりでて 陶のあたりでこれもなく よいやれさあよいやのさ あれはいさああれはのさ 濱にたてたる高張りの 二つばかりの火のかげに けふもをどりの輪がたつて ほうやれほうほいやれほ こゑあるもののみながみな かなしいうたをうたふ夜だ さればかなたの海鳴りの かすかなるさへとりわきて 身にも骨にもとほる夜だ たのしい夏は夢ばかり ――ほんにもう秋かい

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