殘紅四章
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殘紅
憂しといとひしすゑの世の
ちまたもけふはこひしけれ
日すがら海のこゑすなる
軒端にのこる花はまれ
くつわ蟲
黍の穗たかく月いでて
秋は越路のくつわむし
くつわ蟲とてましぐらに
海になくこそあはれなれ
鉦たたき
すずしき鉦をとをばかり
たたきてやみぬ鉦たたき
よべの歎きをまたせよと
あとはこゑなき夜のくだち
燈下
ふみをおほひてあればつと
こなたにわたる鳥のこゑ
つねなきものはおしなべて
夜をひとこゑのゆくへかな
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