童心

室生犀星

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をさなきころより われは美しき庭をつくらんと わが家の門べに小石や小草を植ゑつつ 春の永き日の暮るるを知らざりき。 いま人となり なほこの心のこり 庭にいでてかたちよき石を動かす。 寒竹のそよぎに心を覗かす、 われは疲れることを知らず。 ひとりかかる寂しきひそかごとを為しつつ 手をあらひまた机に向ひぬ。 このこころなにとて妻子の知るべき まして誰にか語らんとするものぞ。 わが家の庭にさまざまの小草さかりて みな花を着けざるはなかりしが いまは花咲くものを好まず わが好むは匂ひなく 色つめたき常磐樹のみ。

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