永遠にやつて来ない女性
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秋らしい風の吹く日
柿の木のかげのする庭にむかひ
水のやうに澄んだそらを眺め
わたしは机にむかふ
そして時時たのしく庭を眺め
しをれたあさがほを眺め
立派な芙蓉の花を讃めたたへ
しづかに君を待つ気がする
うつくしい微笑をたたへて
鳩のやうな君を待つのだ
柿の木のかげは移つて
しつとりした日ぐれになる
自分は灯をつけて また机に向ふ
夜はいく晩となく
まことにかうかうたる月夜である
おれはこの庭を玉のやうに掃ききよめ
玉のやうな花を愛し
ちひさな笛のやうなむしをたたへ
歩いては考へ
考へてはそらを眺め
そしてまた一つの塵をも残さず
おお 掃ききよめ
きよい孤独の中に住んで
永遠にやつて来ない君を待つ
うれしさうに
姿は寂しく
身と心とにしみこんで
けふも君をまちまうけてゐるのだ
ああ それをくりかへす終生に
いつかはしらず祝福あれ
いつかはしらずまことの恵あれ
まことの人のおとづれのあれ
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