自分の生ひ立ち

室生犀星

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僕はあるところに勤めてゐた 僕は百人の人人と 朝ごとの茶をのんだ 僕は色の白い少年であつた みんなは頬の紅い僕を愛した 僕は冬も夏も働きつづめた そのころ僕は本を読んだ 僕の忍耐は爆発した 僕は力をかんじた 僕は大きく哄笑した 僕は勤めさきを飛び出した 僕は父と母とをうらんだ 父も母ももう死んでゐた 僕はほんとの父と母とを呪うた 涙をかんじたけれど もうどこにもその人らはゐなかつた

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