結婚時代
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自分はやはり女性のことを考へる
自分にとつては幸福であり
救済の全てである女性を考へる
その美しさを考へる
その美しさの中の神に近いものを考える
自分はある女性を恋した
いまそれを考へると
その女性の中に自分の内映を見いだし
その自分の力を恋したのであつた
自分はこのごろ初めて女性を見ることが出来
女性を恋してもよい年齢とに逢ひ
女性に対して立派な肉躰をもち
低級な情感をふりおとすことが出来るやうになつた
自分の輝いた男性を持ち
自分の仕事に自信をもち
自分の結婚時代に立派な姿で出会してゐる
自分はもう若くはない
自分のすることにあやふやなとこがない
死よりも強い孤独は迫るけれど
いつもこれらをとりおさへることが出来
その沈静ならしめる用意がしてあるのだ
自分を愛し
自分とともに来るものは
幸福になり得るであらう
自分とともに苦しみを分つものは
永く永く魂の上に荒い海をかんじるであらう
世間ぢうの平和と
世間ぢうの飢饉とに出会するであらう
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