郊外

室生犀星

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郊外に来て誰でも 立派な大根が土にくひ込み 太り切つてゐるのを眺めるであらう さかんなる葉ツぱを 羽のやうに伸ばし はぢ切つてゐるのは 何といふ快適な気を起させることであらう 朝日は新らしい 屋根や屋根の上に 金箔のやうに輝いて居り 畑には百姓の姿はあり 露はな木立は鉄のやうに硬くなつてゐる それらの木立や林を透して かろがろとはしる山の手の電車 ああ 朝ごとに温かな食事を終へ 大根畑をあちこちあるき 百姓とは挨拶を交し すべてが朝の魂に充ち亘つてゐる中を ありあまる感謝の心特になつて行く ぱつとした冬の朝晴れ いづれの季節にも見られない 透明な立派な冬の大きさ! このやうな景色は 自分によい信仰と力とを与へるのだ

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