蒼空

室生犀星

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おれは睡いのだ かれはかう言つてやはり睡つてゐた かれの上には 大きな蒼蒼とした空が垂れてゐた かれの目は悲しさうに時時ひらく 日かげはうらうらとしてゐる 地主が来て泥靴をあげて蹶りつけた けれどもかれはすやすやと 平和にくつろいで寝てゐた やがて巡査が来て起きろ起きろと言つた かれはしづかに眼をあいて また睡つてしまつた みんなは惘れてかへつて去つた 草もしんとしてゐた 蒼空はだんだんに澄んで その蒼さに充ち亘るのであつた

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