夕の歌

室生犀星

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人人はまた寂しい夕を迎へた 人人の胸に温良な祈りが湧いた なぜこのやうに夕のおとづれとともに 自分の寂しい心を連れて その道づれとともに永い間 休みなく歩まなければならないだらうか けふはきのふのやうに 変ることなく うつりもせず 悲哀は悲哀のままの姿で またあすへめぐりゆくのであらうか かの高い屋根や立木の上に けふも太陽は昇つて又沈みかけてゐた それがそのままに人人の胸にのこつた 人人はよるの茶卓の上で 深い思索に沈んでゐた

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