幼獣の歌
本文の表示
黒い夜草深い野にあつて、
一匹の獣が火消壺の中で
燧石を打つて、星を作つた。
冬を混ぜる 風が鳴つて。
獣はもはや、なんにも見なかつた。
カスタニェットと月光のほか
目覚ますことなき星を抱いて、
壺の中には冒涜を迎へて。
雨後らしく思ひ出は一塊となつて
風と肩を組み、波を打つた。
あゝ なまめかしい物語――
奴隷も王女と美しかれよ。
卵殻もどきの貴公子の微笑と
遅鈍な子供の白血球とは、
それな獣を怖がらす。
黒い夜草深い野の中で、
一匹の獣の心は燻る。
黒い夜草深い野の中で――
太古は、独語も美しかつた!……
ログインすると、お気に入り登録や選集への追加ができます。
ログインすると、この作品に自分だけに見えるメモを残せます。
幼獣の歌の談話
疑問や連想、ちょっとした読み方などを気軽に話せます。
まだ投稿はありません。
幼獣の歌に寄せられた作品
詩から生まれた翻案・イラストや、朗読・解説などの関連リンクを持ち寄れます。
まだ投稿はありません。
批評・感想 0
作品の表現や構成を検討し、根拠を示しながら評価・講評する場所です。
まだ批評・講評はありません。
ログインすると批評・講評を書けます。