白い雀

小熊秀雄

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花崗岩の上に樹がある、 それは美しい桜の花であつた。 この種の奇蹟は到るところにある。 奇蹟を笑ふものに呪ひあれ。 広場に立てならべた銃は 天に舞ひあがるだらう。 革命旗は窓懸けになるだらう。 私は信頼する ミカドの国の奇蹟を、 眩き日本の現出を、 日本はノアの箱船、 沈静な歓喜を積む。 同族の肌は、この小さな場所に寄り添ふ。 やがて新しい峯に到着する。 『君は見たか白雀を!』 『私は、白い雀を見ない!』 私は見た。錆びた樹の間を 飛んで行つた白雀を。 羽は光る。 優しい幻影の霧に濡れながら、 過去から可憐に飛んできたのを。

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