鈴蘭の香料
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みどりのくものなかにすむ魚のあしおと、
過去のとびらに名残の接吻をするみだれ髪、
うきあがる紫紺のつばさ、
思ひにふける女鳥はよろめいた。
まつさをな鉤をひらめかし、
とほくたましひの宿をさそふ女鳥、
もやもやとしたなやましいおまへの言葉の好ましさ、
しろい月のやうにわたしのからだをとりまくおまへのことば、
霧のこい夏の夜のけむりのやうに、
つよくつよくからみつく香のことばは、
わたしのからだにしなしなとふるへついてゐる。
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