よれからむ帆

大手拓次

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ひとつは黄色い帆、 ひとつは赤い帆、 もうひとつはあをい帆だ。 その三つの帆はならんで、よれあひながら沖あひさしてすすむ。 それはとほく海のうへをゆくやうであるが、 じつはだんだん空のなかへまきあがつてゆくのだ。 うみ鳥のけたたましいさけびがそのあひだをとぶ。 これらの帆ぬのは、 人間の皮をはいでこしらへたものだから、 どうしても、内側へまきこんできて、 おひての風を布いつぱいにはらまないのだ。 よれからむ生皮の帆布は翕然としてひとつの怪像となる。

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