仄かなる午前の風

佐藤惣之助

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村村へつづく庭の木の盛り上れる方より わかき午前の日のかがやきと匂やかなる風は いきながら空氣の娘のごとくにも近より來る わが影をきよらかにめぐり半身に日を彩りつつ そこらなる花花と蕾とをあたたかく一致せしめ うすき喜びの電氣を燦めかして 椅子のほとりを黄金の日時計ともうたがはしめ 又はうつくしき地の光明臺の如くにも はるかなる南風のほのほをひびかせ うちあけたる朝の情熱をひたひたと滴らし わが身の上を青空のさなかにすき透らせ。

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