清朗

佐藤惣之助

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古き寺の庭のまはりにひびく雜木の濤を ほんのりと吹きとほらせる風のいろは 午前の黄金とあたらしい影をはつきりとはなち 花もつ梢の片面をうすもも色に照らして 青みゆく影の動き多き西邊の丘の方へと そのいきながらの羽とほのほをなびかせ ひそかにちる花片と青い昆蟲の空中へ あざやかなる寂莫の色をあふりいで やさしきものの熱情をより明らかに 發散する露と雫の日を映し 杉の匂ひのしみる、よりよき鐘の音のする陰へ あかい鳥の巣や雲を焚く青空をあたへ 熱い豐滿な正午の明暗をふりしきらせつ。

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