夏霞

佐藤惣之助

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つづられ懸る木の間の拱門から 水星いろに照りうかぶ野面ながめつつ ちらちらと幹の影をぬひ 一歩一歩と水をしたひ、幽かなる空氣をうねり 髮をふかれ、感觸する枝に近より 片田舍の疎林を喜び、淋しみ ほのかな蝶蝶が畫く風の點景を わたしは青い西洋紙の手帳にうつして はるばる村の果てよりくる日晷りに うすい午後の情愁を吹き醒まさう。

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