地球の生地

千家元麿

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見ろ、見ろ 何處にでも地球の生地はまる出しだ。 例へば 澤山な子持の青白い屑屋の女房は 寒い吹き晒らしの日蔭の土間で 家中にぶちまけられた襤褸やがらくたを 日がな一日吟味し形付ける。 大きな籠の中からとり出すのは つるのこはれた鐵瓶や錆の出たブリキ製の御飯蒸し かうやくを澤山張つた埃だらけな硝子のかけら もう日が暮れるのに家中明け放しの中で どう仕末がつくことと思はれる冷たいがらくたを 一手に引受けて一々選り分け仕末する。 たまには小供も仆れて泣いて來ようし 乳をねだりに遣つて來ようし 家のしきゐには女の子が二人腰掛けて、 駄菓子をかじり乍ら眺めてゐる。 凍つた道の上には狹い家の中から追ひ出された、 ボロ/\な男の子が相撲をとつてゐる この寒いのに轉んだり、手をついたり 着物はよごし方題、體は怪我し方題 見ろ、見ろ どこにでも地球の生地は丸出しだ。

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