三人の小供

千家元麿

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何處から來たのか 蝶々のやうに見馴れ無い三人の小供が原へ來てゐる。 メリンスの美しい着物の五つ位の二人の女の子と 同じ年頃の男の兒と 三人はいつでも一緒にかたまつて遊んで居る。 道側の原の小さな崖崩れの上を飛び越しても、原へ立つても 又原へ下りて往來へ出ても三人はいつも一緒になつてしまふ。 運命が三人を一つにして居るやうに、皆んなの衣物が觸れ合つて居る 彼等は餘り騷が無い、 何か一つするとすぐ運動を休んでしまふ 向ひ合つて默つて並ぶ。 女の兒と女の兒が小聲で話して居る 男の兒はおとなしく默つて傍に立つて居る 一人の女の兒が崖崩れに辷つて轉がつた 手をかさうとすると一人で起き上つた。 泣か無いので感心だと思つた。 三人は原へ行つて立つて そこで女の兒はシク/\泣いて居た 自分の方を見乍ら、惡かつたやうな氣がした。 男の兒は妙な顏をして自分を見て笑つた 泣くのは可笑しいと云ふ風に、 自分も默つて笑つた。 女の兒は靜かに泣いたり、止めたりした。 自分で泣いて居るのを知ら無いやうに 自分は美くしいと思つた。少し三人が美しい氣がした、 その間自分の小供は崖くづれの上で轉んだり這ひ上つたり一人で 「うんうん」と力んで居た。 三人の子供を思ひ出して見た時には 原の隅の方にうしろ姿を見せて三人一緒に馳けて行つた 一番ひの蝶々のやうに 何か相談が纏つたやうに 喜んで走つて行つた。 如何うして三人はこんな所へ來たのかと思つた。 (十二月六日) (以下八篇、愛の本所載)

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