若い母
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若い娘がこの頃生れた許りの
赤ん坊を脊負つて
買ひ物に澤山出た女の中に交つて歩いて居る
彼女はこの新らしい經驗を恥かし相に顏に現はす程
喜んで居る
彼女の笑ひには得意と羞恥があらはれて居る
彼女は木綿の小さつぱりした娘々しい着物を着て
赤ん坊にも贅澤になら無い愛の籠つた新しい着物を着せて居る。
彼女の夫は役所にでも行つて居るのだらう
彼女はまるで喜びに壓倒されて歩いて居る
彼女の前に全世界はどんなに輝いて居るだらう
彼女の心はどんなに賑つて居るだらう
彼女は手柄をしたのだ。
涙ぐみたい程愛の激情に彼女は迫られて居るのだ、
見るものが何も彼も新しく見えるのだ、
見よ若き母が隱し得無い喜びに輝きつゝ
赤ん坊を脊負つて買物に歩むのを
その素直の姿の娘らしいつゝましさを
その質素な姿の美くしさを。
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