鬢の毛
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か細きほつれも胸にまきて、
人の子とらへむ力ありや、
梳ればかすかに肩にそひて、
黒髮八尺櫛にながる。
その人戀ひつつ月あかりに、
花笑見むとて門に立てど、
あはれむ色さへつゆ見えぬに、
露ぐさふみつつ夜をかへりぬ。
雨の日ひねもす獨りとぢて、
心にゑがくはなよび姿、
燕も巣に入る夕となりて、
むかへば悲しや眉を白み、
つれなき鏡を壁になげて、
しのびに泣くかな、薄き縁を。
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